数学科はどんな感じなのか

自分について

「数学科はどんな感じなのか」で検索する人は、数学科進学について前向きに考えている人だと思います。数学科進学に前向きに捉えていた僕が数学科がどんな感じだったのかについて書きたいと思います。ちなみに僕の数学科での成果は、地方国公立大学の数学科で成績最優秀者でした。正直なところ、数学の世界は上に行けば優れた研究ができるかどうかということが成果になってくるので、大学の成績が良いかどうかはあまり重要視されなくなってくるわけなのですが。

まずは集合論

まず、数学科に入ると、数学をするために必要な枠組みとなる「集合論」を学びます。集合論で数式とともに、論理記号の多くを学びます。とにかく、大学の数学は論証がメインになってくるので、言葉と数式の距離を近づけつつも、言葉の曖昧さを排除して真偽をはっきりと判定できるようにしなければなりません。集合論では、何かが「正しい」ということを、ある集合に「属している」ということで表現します。そうして一つの概念が集合という数学的実体として扱われて、数学の世界が構築されてゆく、という流れです。

次に微積、線形代数

そうして数学を形作っていく言葉を手に入れた後は、ひたすら微積と線形代数をしていくことになります。微積と線形代数さえマスターすれば、残りの人生はなんとかやっていけると言っても過言ではありません。微積と線形代数に関しては、全精力を賭けてでも理解していきましょう。

線形代数は英語では「liner algebra」と言います。線形代数は「線(line)的なものならどんなものだって扱う」という勢いです。線という単純なもので限定しても、できることは山ほどあり、それを体系立ててまとめたものが線形代数です。線的なものはすべて線形代数によって理解されます。

微積において理解しておきたい考え方は、「線形近似」です。線形代数では扱えなかったものを線形代数に落とし込む作業が微積(微分)です。世の中には線的ではないもの、曲がったものがあります。微分の考え方は、曲がったものは、局所的に線形に近似し、それを無限に集めることで曲線=線の無限の集まりとして考え、線形代数に落とし込むというものです。結局、人間がもっともわかりやすいものはストレートな線であり、曲線はストレートに落とし込むことで理解してゆく、という順序なのだということです。

こうして、微積分と線形代数があなたの見方になれば、世の中のだいたいのものは数学で扱えるようになる、というわけです。

あとは好きにすればよろしい

微積と線形代数マスターすれば、そこから物理学を学んでいってもいいし、幾何学を学んでもいいし代数学や解析学のもっと進んだ分野を理解してゆけばいいと思います。ただ幾何学については多様体論を学んでいくと思うのですが、多様体論のモチベーションは相対性理論から産まれたものなので、相対性理論あたりをかじっておいた方がいいと思います。n次元多様体を考えるモチベーションは、時空間と言う4次元空間(これは人間にはイメージしづらい空間)を知りたいために産まれたものです。相対性理論や空間の伸び縮みについて少し知っておくと、幾何学を学ぶモチベーションは強まると思います。

数学の女王と言われる整数論については、代数学の知識や、単純に思考力が多く必要となってきます。なにはともあれ、女王は気まぐれで、何を考えているのかわからないので、こちらも数学のすべての知識を総動員して望まなくてはならないものです。それだけにやりがいはありますが、それだけにしんどいというのも正直なところかと思います。頑張ってください。

数学科を卒業して

数学科を卒業して、僕は大学院に行きました。大学院は数学好きな友達がおり、数学トークをたくさんして楽しめる空間で、とにかくまぁ楽しく過ごせるんじゃないかと思います。数学に気持ちがある限り。大学や大学院を卒業して、会社員などになるともはや学生や院生の頃のようには数学に向き合える時間はなくなってきてしまいます。学生の頃は、学生の頃でかなり忙しいですし、色んな雑事もありますが、それでも時間はあるはずです。数学にのめり込める時期は希少なので、ぜひ思い残すことのないようやり切ってほしいと思います。とはいえ、思い残さないようにできるほど、数学の分野は狭くないですし、好奇心が好奇心を呼び、とてもじゃないけれど、学生時代に数学を公開ないほどやりまくるというのは中々難しいものがあります。かと言って、卒業後に思う存分できるほどでもありません。これはもう割り切って考える他ない問題なのかもしれません。

いち社会人として

数学をやりすぎると、やや現実から遊離してしまう感覚に陥ることがあるかと思います。ものの原因というか背景ばかりが気になって、とりあえず役に立つことをするのを遠回しにしてしまう、というようなことをしてしまうことがあるかもしれません。正解とか、正しさを求めすぎてしまう性向を有してしまうかもしれません。それはそれで社会に出れば矯正されます。

数学はやはり少し実学から離れてしまうきらいがありますが、社会に出ると、実学が待っています。それはそれで面白いものです。数学をやっていたときのような不思議な感覚や深い感覚を味わうことは、数学以外の学問分野でも可能ですし、数学ほど抽象的でなくても、具体的でも楽しいな、と思えてくることが増えてきます。現象から本質を抽出して研究するのが数学だとしたら、その数学を一旦は通った人にとっては、ずっと学んでいて本質としての数学が現実ではこんな風に現れるのか、ということを知っていけて、面白いかと思います。ぜひ、世の中を楽しむ目をひとつ、数学を通して身に着けてくれたらいいなと思います。

 

おわり

 

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